大阪 中学校美術のブロック研修の報告
2013年10月5日
大阪市中教研美術部(5ブロック)の研修会(報告 仁張誠子さん)
去る8月30日、大阪市中教研美術部5ブロックで「言語活動の充実を図る授業作り」をテーマに、研修会を行いました。
Q&Ain岡山のご縁もあり、大阪教育大学の佐藤賢司先生から、講話と演習をしていただきました。
「言語活動」と言っても、グループで討議する形式のものではなく、
「言語」の持つイメージから一旦離れて対象と向き合うことや、対象の見方や感じ方を広げる「教科としての言語」を深める「言語活動」を、体験的に学べるよう進めて下さいました。
演習では、写真のようにそれぞれが自分の「手」を描きました。しかし、「絵を描く」というときにイメージされる、構図を決めたり、何度も形を修正したり、輪郭線を意識しながら丁寧に着色したり…という手順は一切なく、次のような流れで行いました。
1、自分の手を直接画用紙にあてて鉛筆で輪郭をとる。
2、輪郭線に沿ってはさみで手形を切り取る。
3、自分の手を見ながら、切り取った手形に絵具で着色する。(今回は3原色と白のアクリル絵具を使いました。)
私たちは「絵を描く」と言っても、「<絵を描く>という言葉で説明されたこと」を行っているので、言語の持つ縛り(言語的イメージの縛り)から解放されるだけで、かなり異なる広がりが得られると佐藤先生がおっしゃるように、言葉の概念と方法を少し変えるだけで、
・よく見ることが自然と行われ
・リアルな自分の手ができていく面白さ
を皆が体感し、共有することができました。
少人数の和気あいあいとした雰囲気の中で、だんだんリアルに仕上がっていく「自分の手」にワクワクしながら、楽しく学べる時間となりました。
さらに、最後は5ブロック一つになって円陣を組んだつもりで!?、それぞれが自分の手に想いを託して、無事に研修会を終えることができました。
*以上、仁張さんからの報告でした。このような形で他の地域からもご報告いただけると「中学校美術ネット」を通して 各地域の中学校美術教育の様子がわかり、参考になります。学び合いながら高め合っていけたらと思います。よろしければ、ご寄稿お願いします。
レポーター:山崎 正明