「美術の時間」展に行ってきました。
2014年3月17日
この展覧会は、秋田県大仙市立西仙北中学校の美術担当教諭である田中真二朗先生によるものです。
展覧会のタイトルやサブタイトルのとおり、作品の完成までの道のりと、そこを越えて後に残った(起きた)生徒の心の大きな流れが、授業写真や構想・ふり返りのプリントが実際の作品と対比できる形で展示されています。
ですので「こんな作品が出来ました」というような結果だけを展示する展覧会とは大きく異なります。
紹介されている授業題材は大きく分けて6題材です。
どの題材も生徒と題材の距離感が近く、写真や記述の内容からは生徒と題材が一体化して展開しているんだなということがよく伝わってきます。
それを特に感じたのは授業の様子を撮影した写真です。
個々の生徒と各題材がどのように関わっているのかが実に自然に表れているのです。
以下の言葉は本展のチラシに記されているものです。
美術の授業ではこんなことが起こっています。
自分なりの美を見つける 協力する 一人で考える 社会とつながる
地域を見つめる 共有する 認め合う 学び合う 自分を見つめる
以上のことは単に美術の授業を行えば達成される訳ではありません。
田中真二朗先生が実践されているような丹念な「授業の創造性」によって立ち上がってくるものだと思います。
そのような意味でもこの「美術の時間」展には2つの視点があるように思いました。
1「生徒の美術の時間」
2「教師の美術の時間」
昨今、様々な美術の授業への危機問題が聞こえてきます。
「問題」にはそれが起こった「原因」があります。
その「原因」を打破する深い示唆のひとつが本展には在るように思えてなりません。
■展覧会名 「美術の時間」展 〜生徒の学びと授業のプロセス〜
■期間 2014年3月12日(水)〜3月30日(日)
(前期 12日〜20日、後期21日〜30日)
■時間 10:00〜19:00(最終日は16:00)
■会場 秋田県大仙市 アート&ギャラリーカフェ「ブランカ」
http://www.obako.or.jp/blanca/
レポーター:黒木健