研究・研修会 島根県 中学校美術Q&A

「中学校美術Q&Ain島根」発表の様子

 

 

Q&A島根集合写真

2014年7月26・27日に行われた中学校美術Q&Ain島根では、二日間で44名の方にお集りいただき、多くの学びを共有できた会となりました。
以下、中学校美術Q&Ain島根の様子をレポートさせて頂きます。


山崎先生

<基調提案>山崎 正明
北海道北翔大学教育文化学部准教授/中学校美術ネット代表

学習指導要領改訂の度に減らされてきた美術の授業時間。
これまでに山崎先生が美術教育の価値を訴える取り組みから感じられたことは、「意思表示をするから相手に伝わる」「つながりが力になる」ということ。
そして充実した美術の授業時間を残して行くためには、次回学習指導要領改訂について話し合われる時期を予測した2014年までに、一般の方にも「美術の授業も大切」と思っていただくことが大切!そのためにはまずは日々の授業の質(Quality)を高めること、そしてそれから美術教育の価値を訴える行動(Action)を起こそうという基調提案で、中学校美術Q&Ain島根が開催しました!全ては、子どもたちのために!

参加者のみなさんのアンケートから

  • クオリティとアクション。実に端的で分かり易い。大いに刺激され、美術を頑張ろうと思いました。
  • たくさんのことを見て聞いて私の学びを子どもたちに発信して行きたいと思います。
  • 各地で同じ思いを言い続けることがたくさんの人に伝わり、行動になるもとになりますね。

仲西先生

<実践発表1>仲西貴志
島根県安来市立第一中学校

「みること つくること つなぐこと」というテーマで、浜田市世界こども美術館での幅広い活動経験を自校での実践に生かした試みをご紹介頂きました。本物をみることの大切さ、つくることを通しての学び、つなぐことを通して学んだ、人と人、地域と学校とのつながりなど、多岐にわたって中西先生の実践を紹介して下さいました。これまでのアクション会議で書き記したことを実際に地区の作品展で実施したという報告。作品に子どもの思いや指導者のねらいを書いたキャプションをつけるというアクションを実際に起こしたことで、展覧会に来た人がじっくりと作品を鑑賞するようになったとい嬉しい報告もありました。実際にアクションを起こすことの大切さを改めて感じました。

参加者のみなさんのアンケートから

  • 浜田世界子ども美術館での取り組み。その体験を生かされた地元小学校での出前授業。ご自身の授業での「ピカソに挑戦」など感心しました。
  • 安来市のキャプション刺激を受けました。
  • 「つなぐこと」が大事だと思いました。美術館だけでなく、学校だけでもなく、つながりをもっともっと広げて行きたいと思いました。

木村早苗先生

<実践発表2>木村早苗
愛媛県松山市立石井北小学校
児童・生徒の作品展で、学校によって同じような絵がならんでいることに呆然と立ち尽くし、息をのんだ、という経験から、「松山の絵を変えよう!」とアクションを起こしたお話を頂きました。
・子どもの表現することの意味や価値を伝える
・このような作品をつくらせようからの脱却
・県外とのネットワークをつくり、愛媛の中に閉ざさない
・松山市審査会の審査基準を明確にする
こういった取り組みをしていく中で、子どもの思いを大切にする先生方が多く集まり、子どもたちが本当に楽しんで描いている姿に変わったという変化。松山市の作品が他の地域によい影響を与えはじめてきたというお話を頂きました。
教師と子どもの対話で多様な投げかけをすることによって、こどもの概念は壊れ,自由を獲得していく。という言葉が印象的でした。

参加者のみなさんのアンケートから

  • スケッチブック展にぜひ出かけてみたいと思いました。
  • 子どもの描く絵を変える。そこには指導者の意識改革があった。やはり変わらなければならないのは教師自身でありますね。
  • 子どもを型にはめていないか反省。すばらしい指導、そして絵に感動しました。

松岡先生

<講演1>松岡宏明
関西国際大学教育学部 教授

「図式期と芸術的復活期を結ぶ」というテーマで、幼児の絵の発達段階を理解した上で、中学生の表現にどのように向き合うことが必要かということをお話して頂きました。
自分と世界が一体化している子どもの視点はどこにあるのか?見たものを描くのではなく、知っていることを描く幼児の発達段階を詳しく紹介してくださいました。全感覚を起動する子ども。あるがままからスタートする子ども。図式期の子どもたちは様々なことに未分化であるということも分かりました。
子どもであること、と、美術をすることは重なりあう。美術をすることは、子どもの頃の未分化な状態を復活させることである。中学校の先生には幼児期の作品を知る必要があり、中学校での実践の質は異なってくる、という言葉が強く印象に残りました。

参加者のみなさんのアンケートから

  • 子どもの絵を改めて目にすることができ興味深かったです。孫が出来たら記録を残してみようかななんて思ったりしました。
  • 「描く」活動の発達段階。大変参考になりました。
  • 伝え方の大切さ。周囲の人から声が出る様に働きかけていきたいです。

上坂先生

<実践発表3>上坂美礼先生
島根県浜田市立三隅中学校

「石州和紙に岩絵の具で描く~三隅中学校美術部の挑戦」というテーマで、三隅中学校美術部の生徒が歴史ある地域を舞台に、手漉き和紙づくりや地域のアート展参加など、精力的に取り組む様子を伝えて頂きました。本物に触れる、実際につくる活動を通して、生徒の視野が広がる機会になったいうお話でした。地域にある人(作家)、こと(芸術祭)、もの(和紙や岩絵の具)と関わる中で生徒の創造性が育まれ「地域に生きる」という大切なことを学ばせてもらいました。

参加者のみなさんのアンケートから

  • 美術部の日本画体験がとてもよかったです。
  • 三隈での取り組み。地元の人間としてとても嬉しく思います。
  • 部活での活動の紹介でしたが、授業に波及できると良いなと思います。地域の方の協力を得ていることがよい取り組みだと思います。

みるみるのお二人
<実践発表4>
房野 伸枝  島根県益田市立東陽中学校
金谷 直美  島根県浜田市立弥栄小学校

島根県の美術教育に関わる者で結成した美術サークル、通称「みるみる」
VTSJ(ビジュアルシンキングストラテジージャパン)のセミナーに島根県の教員4名が参加したのがはじまりでした。はじめは美術館の図書室ではじまったみるみるの会でしたが、次第に賛同者が増え、広く一般の方々にも知られるようになり、島根県を出て、様々な場所で対話型鑑賞の魅力を伝えているアクションのご報告でした。
どんな作品でもできるわけではなく、経年的に選んで実施していることや評価の在り方を整理していこうとする取り組みをお話いて下さいました。みるみるの会のみなさんのパワーと温かさ、そして切磋琢磨して授業力を高め合う姿勢、大変参考になりました。

参加者のみなさんのアンケートから

  • 「対話」での授業に苦手意識があります。良いナビゲーターになろうと力み過ぎているのだと思います。今日の発表を聞いてやっぱりやろうと思いました。
  • 「みるみるの会」素晴らしい活動をされていますね。
  • 授業の様子がビデオで見られ、とても参考になりました。

田中

<実践発表5>田中真二朗
秋田県大仙市立西仙北中学校

「授業の学びを展示する」というテーマで、アクションに絞ってこれまでの取り組みを発表して頂きました。震災を機に地域のつながりの重要性を感じ、美術を通して地域を見つめる展覧会を企画し、続けていく中で美術の時間で起きているコトを展示していこうとい思いに変わってきたお話を頂きました。作品だけでは伝わりきれない、制作の過程にある学びの価値。子どもたちの作品を介して、様々な年代の方と美術の大切さを語り合えた経験が、教師の生き方をも変えていったという経験談もお話頂きました。

参加者のみなさんのアンケートから

  • 魅せることが、人の認識を変えていくことが分かりました。
  • ポスターやPVをぜひ参考にしたいです!
  • 「美術教育は地域で育んでいくもの」・・・納得です!

東良先生

<講演2>東良雅人
文部科学省初等中等教育局教育課程課教科調査官

「子供たちが自分の中に新しい価値をつくりだす創造活動-活動の主体者の内面に重点を置いた授業づくり-」というテーマで、①やるべきこと②やりたいこと③それらをやれることの授業づくりの3つの視点から講演して頂きました。
全面実施3年目となる学習指導要領。子どもの生き方を常にキャッチしながら題材を考えていく必要があること、また、全ての子どもたちは豊かな存在である。このことをしっかりと受け止めて授業づくりしていかなければいけないことなど、子どもたちの制作途中の行為や、作品、子どもたちの言葉を見せて頂きながらご紹介を頂きました。

(レポート 田中真二郎)

参加者のみなさんのアンケートから

  • 生徒の学びを起点とした授業づくりに努力したいです。
  • 学習指導要領をもう一度見直し、今私が見ている子どものやりたいこと、やるべきこと、やることをしっかり見つめ、考えようと思います。
  • 欲求や必然を湧き起こすことのできる教材づくりと、それをどう周りとつなげるかが大切で、美術教育の魅力なんだと思いました。

 

 

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